2020年8月12日 生まれた子牛に初乳を消化吸収できる準備態勢が整ったかどうかが初乳給与においてはもっとも重要です。私たち目線ではなく、「子牛目線で考えてみる」という発想の転換が大切です。 「初乳は6時間以内に摂取させた方がよい」 たしかに、それは重要なポイントです。しかし、本来は生まれた子牛が飲乳欲を持ち、さらにきちんと吸収できる状態になることが大切なはずです。飲ませることに意識を向けるのではなく、「どうしたら飲めるようになるか」というところにも意識を持っていけると良いですね。 初乳吸収率を示したグラフ(松本vetコラム2018年4月13日参照)からは「生後6時間を過ぎると吸収率は半分になる」ことが読み取れます。しかし、同時に「生後24時間までは抗体吸収率はゼロにはならない」ことも同時に分かります。 強制的に飲ませる前に、まずは飲乳欲を発現させるためにできることをいろいろとやってみましょう。そして、自力で「ゴックン」と飲んでもらうような取り組みを実施してみましょう。たとえ少量でもまったく問題ありません。少し時間をおいて再トライしてみてもいいですね。「ちょっと心配だから強制投与してしまおう」から「自力で飲んでもらうために何かできることはないか」という意識にシフトチェンジすることが大切です。 おしまい 前の記事 第295話「その初乳給与、ちょいとお待ちを!⑤」 | 次の記事 第297話「うつ熱と熱中症」 |