2020年5月11日 みなさんも、牛さんにガス(急性鼓張症)が出ると慌てますよね。たいていの人は、ガス除去剤(ガストリンなど)や食用油を飲ませたり、おなかをさすってあげたり、とにかく必死でガスを排出させようとします。 このとき試していただきたいのが、下の写真1の「猿ぐつわ」です。よくテレビの誘拐事件などで、犯人が人をさらうときにやるでしょ?あれです、あれ(猿ぐつわの画像を探そうとしてネット検索したら、昼間っから見てはいけないような画像ばっかで焦ったー(^_^;))。 この猿ぐつわを牛さんに咬ませてあげると、牛さんは気持ち悪くて口をくちゃくちゃ、沢山のよだれを流します。そうすると、沢山のよだれを飲み込むことでよだれが界面活性剤となり、小さな泡状のガスを潰してくれます。また、よだれには沢山の重炭酸ナトリウムが含まれていてアルカリ性なので、第一胃のpHを中性側に引き戻してくれます。 牛さんに猿ぐつわを咬ませるときは、2重にしたロープを口にくわえさせて、その両側を耳の後ろで縛るだけです。簡単ですから試してみてください(写真2)。 きちんと猿ぐつわを咬ませると、ビデオの様にくちゃくちゃやってくれます。そうするとしばらくしたらガスは抜けていくのです。この方法は、子牛のように食道が細くて胃洗浄が出来ないケースやルーメンファイブを飲ませることが出来ないケースでも有効です。以前のコラムでご紹介した挿枝療法とともに、いざというときのために覚えておきましょう。 前の記事 子牛の病気を予防するために僕が重視していること | 次の記事 みんなで頑張ろう! |