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子牛の病気を予防するために僕が重視していること

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2020年4月27日

 この冬は、暖冬から急に冷え込んだせいか、子牛の肺炎(とくにマイコプラズマ)が多く、また死亡する子牛も多かったようです。
 予防としては、いろいろあるのですが、僕が一番注意しているのは「子牛のストレス管理」です。たとえば、哺乳ロボットに入れるときなんか、1頭生まれたら追加して、1頭大きくなったら、育成マスに移動して...。というのは、一番避けた方がよいのです。

 というのも、牛さん、とくに和牛では「群編成ストレス」と言って、群れを作るときにかかるストレスによる免疫低下が起こります。これは、群れを作ってから15分くらいで起こり始め、群形成後2週間くらいで免疫は通常の半分以下になります。そして、元に戻るのに群編成後3週間くらいかかるのです。しかも、せっかく群編成後3週間たって免疫が元に戻ったとしても、そこに1頭追加するだけで、また群全体の免疫が半分以下に低下るのです。これは、ロボットから育成に移すときも同じです。

 ですから、ロボットの群を作る際は、一度で群を作れるように工夫してもらうように指導しています。具体的には、8頭から10頭分(ロボットの1カーフコートに入れる頭数)のハッチを作って、生まれるごとに手やり哺乳してもらい、頭数が揃ったところで「せーのがドン」で、1回で群を作ってもらうのです。これによって、その後の移動はその群単位で動かせるので群の再編成がなく、ストレスも少なくなるのです。ロボットに入れる頭数も、ほぼ12頭程度以下にしておいた方が、肺炎発生率はとても少なくなります。

 これは、親付けの自然哺乳の子牛を離乳して育成群を作る際も同じことで、一度で群編成した方が、肺炎はずっと少なくなります。

 それと、群を作る前日にモラフィットSPを50g与え、群編成後2週間は給与を続けるようにします。モラフィットSPは、話題のGABAというストレスを抑制する成分が入っており、いろんなストレスを低下させるのです。投与開始は、ストレス付加前からの方が効果的です。
 そして、移動前日にはミコチルも打ってもらうようにしています。ミコチルは、抗菌よりも、肺炎を悪化させない働きが2つ、1週間持続するからです。ミコチルも、ストレス付加前に投与する方が効果的です。

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