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椎葉絢香のコラム
除角後の化膿…どうしよう③

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2017年2月16日

 チューブで水を入れながらチマチマ洗ってても…治癒に時間がかかりそうだ……角の内部の膿をきれいさっぱりとる方法……zz(˘ω˘)zz…なんかないかなぁ~……

 …!!

 『そうだ!!頭を思いっきり振らせればいいんじゃん!!』

 そこで、思いついたのが、耳に水を入れる方法です。まさに寝耳に水状態すヽ(^o^)丿

 マイコプラズマ性中耳炎などの治療法で耳洗浄を行いますが、この時の耳洗浄は、ほとんどが鼓膜を破って中耳内に水を入れます。(参考:伏見獣医師のコラム「中耳炎とその治療(13)」 )

 しかし、今回の治療では、治療すべきターゲット部位は、耳ではなく角なので処置はシンプルにいきました!まず、角に生理食塩水とペニシリンを混ぜて流し込みます。 シリンジで生理食塩水を吸い、両耳の中にジュッ!ジュッ!と入れてあげます。この時点で、牛は『わっ!!なんか耳が気持ち悪い!!』と思うのでしょう。(*‘∀‘)なんだか、動きがそわそわし始めます。(笑)

 その瞬間に保定していたロープをはずすと、耳の水を吹き飛ばすために牛が勢いよく頭を振ります。この際に、角の内部の膿も一緒に飛んでいってくれます。

 実際に、この処置を行うと、食欲もすぐに改善し、2日で角の空洞がふさがれ完治しました。( *´艸`)

★☆★☆めでたしめでたし★☆★☆
 
 が…めでたしめでたしに、なかなかならない時があります。………つづく(´▽`*)

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