(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
椎葉絢香のコラム
除角後の化膿…どうしよう④

コラム一覧に戻る

2017年2月22日

 なかなかめでたしめでたしにならない時…それは、角に空洞があり化膿しているにも関わらず、洗浄して鼻から洗浄液が出ない時です。

 大抵、膿の塊がビッシリ詰まっていることもありますが…角の中で、血が出たり、汚れが入って化膿したり、痂皮(かさぶた)になったりを繰り返すことで、これらの塊が角の中を完全にふさいでしまいます

 綺麗なままのかさぶたなら問題ありませんが、『角の見た目は問題ないけど、なんか牛の周りが膿の匂いがする。エサの食いが悪い。』などの症状がでてくれば、まず角を疑ってください。こうなると、なかなか厄介でその塊をやっつけるのには時間がかかります…。

 これは、『入ってきている汚染物質を排除しよう!!体内にこれ以上有害な物質を入れないように蓋をしてしまおう!!』という生体防御反応の1つです。☆⌒d(´∀`)ノ

 しかし、こうゆう場所を好む細菌もたくさんいます。このような場所は酸素が少ないため、嫌気性菌が増殖してしまいます。また、鼻とつながっているので湿気も多く、マイコプラズマの大好きなベッド状態です!!(@_@。

 このような細菌を倒すためには、酸素を送り込んで増殖しにくい場所に変えてやることが最も重要です!!鋭匙(えいひ:耳かきみたいな手術用の道具です)で塊をできるだけ取り除き、後は洗浄と抗生剤の投与を根気強く続けましょう。もちろん、耳に水をかけて頭を振らせることも忘れずにね(●>v<)♥。

 毎日、根気強く行うことで痂皮もだんだん柔らかくなり、いつの間にか吹き飛んでいるかもしれません。(`・ω・´)ゞ

 このような除角の化膿を起こさないためにどのようなことに気をつければいいのでしょうか。………つづく(´▽`*)

|