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笹崎直哉のコラム
マイコプラズマについて その2

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2019年3月19日

 マイコプラズマは水場を介したり、空気を介して感染が成立するので、カウハッチは常に清潔にし、ハッチに設置する水バケツ、エサ箱もクリーンに保つ必要があります。哺乳後は、もちろん哺乳ビンの乳首の中までしっかりと洗浄と消毒をしましょう。

 農家さんによって、農場耳標を耳につける時期は様々だと思われますが、耳標の装着後に牛さんが違和感を覚え耳を振ったり、食欲が落ちた場合は耳標装着場所をチェックしてみてください。外耳炎、中耳炎を発症している可能性があります。ここにマイコプラズマが絡んでくると大変なことに、、、。やはりどうしても耳標を付ける際に出血や血液由来の体液(漿液)が残ってしまうのでこれが化膿の原因となったりマイコプラズマが増えるもとになってしまいます。よって装着時には耳標とパンチが綺麗であるか確認し、牛さんの耳の中も掃除してあげれば理想です。

 また牛さんがある程度スターターを食い込めるようになった時期に耳標を付けるといったように、装着時期を遅らせるのもよいと思います。蓮沼獣医師のコラム 第489話:中耳炎雑感 その2 にも説明があるように、初乳がしっかり飲めていなかった(なお生後30~40日は、初乳由来の免疫抗体があります)、下痢を繰り返している等の虚弱子牛には、特に装時期を考え直す必要があるかもしれません。

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