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ゲストのコラム
「いい農場の秘密こっそり教えます!1〜@はじめに 1〜 (山本浩通)」

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2007年2月27日

 どんな組織つまり農場でも、会社でもレストランでも工場でも、「人間」と「技術」と「仕組み」の問題があります。
 うまくいってないところは、この中の一つか二つかあるいは三つともかがうまくいっていません。ちょうど三輪車のようなものです。3つの車輪が同じ大きさでないとうまく進みません。一つだけの車輪が大きくても、一箇所をグルグル回わって前に進みません。また、一つの車輪がなかったら、まったく動きません。一般に農場経営をよくする情報としてセミナーや情報雑誌で目にするのは、「技術」です。ほとんどこの「技術」しか話題にされていません。
 繁殖技術、粗飼料管理技術、子牛管理技術、糞尿処理技術、補助金利用、牛舎設計、防疫技術、搾乳管理技術、経理、コンフォート、ストレス除去、飼料計算、行動学などかなり高度で細かいセミナーもよく開かれ、あるいは情報誌で紹介されます。
 ところが実際の農場、工場、会社では「技術」の問題より、「人」と「仕組み」がうまくできてないために、問題が出ています。毎日忙しく働いているのに、効率が悪く成果がでなかったり、農場のメンバーのやる気がなかったり、作業のムダが多かったり、人間関係に気を使い農場の管理どころではなかったり、毎年、何回も同じ失敗をしたり、農場のひとりのメンバー勉強してきた技術が農場の他の人に伝わらず結局農場で使えなかったり、従業員が変わり初めから教育しなければいけなかったり、農場のメンバーの提案や不満を出す場がなく、メンバーの意欲がなくなったり、時間の使い方が悪くムダな時間が多かったり、農場内の記録や事務所が整理されていなかったり、農場の悪い情報が隠されて、問題を解決できなかったりなどの、いろんな要因で、本当は有効な「技術」が農場では使われていません。
(つづく)
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