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ゲストのコラム
「牛飼いで儲けよう?その6 番外編 〜借入金〜 【齊藤勇一】」

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2007年2月16日

 ここで、お金についてもう一つ重要な事をお話します。(儲かっている人は目を通さなくてもいいですよ)
これは、借入金(借金)のお話です。お金を借りなければいけない状況には、2パターンの状況があります。
 1つは、規模拡大などに伴う設備投資や導入牛の調達資金などの前向きな借入金(正の負債)。もう1つは、自身や家族の生活の為に使う借入金(負の負債)です。どちらも、現在の日本では、担保(田畑・家・保証人など)が無いと借入れは不可能に近いのですね。そしてどちらも、返済計画が無いと借入れは不可能です。(消費者ローンは別です)
 私はこれまでに、たくさんの資金計画(返済計画)を作ってきましたし、見てもきましたが、
 現在、借入金返済で苦しんでいる多くの計画書は、現実を楽観視した計画でした。「数年後には相場が上がる」とか「技術(ここでは枝肉重量が大きくなる)が良くなる」とか。
「規模拡大を行なったのに、前より資金繰りが悪くなった」なんて話結構聞きますよね。前向きな資金を借入れしたのに、いつの間にやら、後ろ向きの資金を借りなくてはいけなくなった。なんて話聞いたことありませんか?
 それは、お金を借りる為の計画であって、現実にお金を返済する為の計画では無いからです。

借入れをする時には、(規模拡大等の場合)
 ①自分の経営を把握する
 1)資産の状況
 2)生産技術のレベル
 ②計画を作成する時は、過去の悪い経営状況を参考にし、外的要因(枝肉相場、穀物価格)を決める。
 ③自分の技術にあった計画を立てる。
 これらの事は、「畜産農家から畜産経営者としての自覚を持つ事」を意味するのです。
(つづく)

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