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戸田克樹のコラム
第93話「DEBESOに注意~治療①~」

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2016年7月4日

梅雨がもう終わるかもしれない

そんな淡い期待を寄せている矢先、阿久根市はまたも豪雨に襲われました。

側溝からあふれ出る雨水…。フロントガラスにはたたきつけるような雨が。おそろしや。
そして戸田の診療靴はなぜか底がはずれました。明日からどうしよう…。

さて、臍帯炎の治療には抗生物質や場合によっては消炎剤の投与が、さらに患部の消毒も併せて実施するのも有効です。臍膿瘍の場合は患部切開で排膿させてあげることが早期治癒につながります。切開後の患部洗浄や抗生剤の投与もしてあげたいところです。

では臍ヘルニアの場合はどうしましょう。
外科的にヘルニア輪を直接縫合してしまうやり方がまずひとつ。
200kg程度までの子牛であれば縫合部も腹腔内圧に耐えられますし、直接ヘルニア輪を縫ってしまうので、1度の処置でヘルニアとさよならできます。費用の問題や手術という手間はありますが、非常に効果的な処置です。

指が3本以上入る場合や腹腔内組織が著しくヘルニア輪から皮下に漏出している場合はすぐにオペに踏み切ったほうがよいかもしれません。

1本~2本程度しか指が入らない場合は経過観察することも多いですが、農家さんが気になってしまう場合や、3本指が入ってしまう場合、処置をする場合はテーピングやネット固定をよく実施します。

では、子牛の臍ヘルニアに出会った戸田と笹崎はいったいどう戦ったのでしょうか。

次回、臍ヘルニア決戦編につづきます。

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