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戸田克樹のコラム
第84話「つくってあそぼう②」

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2016年5月2日

では早速、作ったチューブを通してみましょう~♪

Step1
まずはどのくらいで食道 or 第一胃に到達しそうか、目安をつけます。

(外側から当ててみて、「この辺まで入ればいいんだな」というイメージをつかみます。)
この作業、意外に大事です。

Step2
カットした方を鼻から入れていきます。

やさしく~、やさしく~、やさしく入れていきますぅ~
鼻先は敏感です。うまく穴に入れられるかが最初の関門です(汗)。
「ぐしゅん!!!」と、嫌がった牛のくしゃみや頭をブンブン振る抵抗にあうため、なかなかこの関門が突破できません。

Step3
鼻にうまく入れられたら、やさしく~やさしく~やさしく進めていきますぅ~♪
とにかくこの行為中はやさしさをいかに発揮できるかが勝負です。
鼻粘膜さんはとってもデリケートです。力を入れてしまうと、鼻血がでてしまうことも。もともこもありません(泣)

Step4
のどを突破して食道を目指しましょう。
鼻をすぎると、「コツン」とぶつかるところがあります。
そこが第二の関門です。ここは気管と食道の境目です。
もし、気管に入ってしまうと、
「ブホォっ!!。エホッ。ガ。ゲホォ!!!ウべぇ…。」
と、不安になるような声が聞こえてきます。こうなったら少し引き戻し、おさまったらまた進めていきましょう。

Step5
食道に入ったか確認しましょう。
あまり苦しむことなくある程度進めたら、チューブ内の空気を吸っていきましょう。
もし食道 or 胃に到達できていればある程度吸うとチューブ内が陰圧になります。チューブに舌や唇をあてるとチューブに吸引されるので、そこで陰圧になっているかを確認できます。
気管に侵入していれば、肺には空気があるのでいくら吸っても空気が返ってくるだけで陰圧になることはありません。この陰圧確認作業は必ず行ってください。

Step6
陰圧のまま液体にドボン!
陰圧がかかっている状態でチューブを折り曲げて口から出します。

こうしておくと、ある程度の時間は陰圧が解除されません。この状態でミルクや飲ませたい液体に尖端をつけると、陰圧のおかげで自然と液体は子牛の体の中に吸い込まれていきます。

※流している間に牛が暴れたりしてチューブが抜けかけると誤嚥してしまうので、チューブが抜けないように、ずれないように注意してください。

それではみなさんも、チューブを作ってやってみましょう♪

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