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桐野有美のコラム
「ルワンダ便り−20 「高いのは標高だけじゃない」」

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2011年8月29日

 さて、ルワンダの気候は最高です。前にも書きましたが、赤道のすぐ南にある国なのに、一年中20℃。寒いと思うことも、暑いと思うこともないまま、気がつけば一年が過ぎていきます。季節がめぐらないため、自分がルワンダに来て何ヶ月がすぎたのかさっぱりわからなくなる、まさに竜宮城現象です。
ただ、とにかく不便なだけ。
 理由はふたつ。94年の大虐殺のときにインフラが破壊しつくされてからまだ17年しかたっていないこと。それから、内陸国であるため、物流コストが高すぎること。
 多くの輸入品がケニアのモンバサ港で荷揚げされ、そこから長距離トラックでウガンダを経由してようやくルワンダに入ってくるのです。国を二つまたぐ分、コストも税金もかかります。例えば、日本だったら100円ショップで売られているような、安っぽいプラスチック製のチリバコが、8,000フラン(1,300円)もするんです。東南アジアなどで経験する途上国での旅行をイメージして行くと大変なことになります。とにかく何もかも高い!海のない、そして自国に産業のない国がどれだけ不利なのか、思い知らされた二年間でした。
 ケニアにしても、タンザニアにしても、セネガルにしても、やっぱり海のある国は発展しています。海が無い、石油も出ない、鉱物資源もしょぼい、観光客を呼び寄せる世界遺産もない・・・アフリカの他の国に出かけるたびに、そんなルワンダがなんだか不憫になり、ますます愛着がわいてしまうのでした。

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