(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
戸田克樹のコラム
第80話「 この季節が今年もやってきましたね♪」

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2016年4月6日

やってきました狂犬病予防注射月間のポスター

毎年、春先にはシェパードだけでなく、獣医療関係施設にはこのようなポスターが届きます。動物病院で見かけたことのある方も多いのではないでしょうか。

「毎年、4~6月は狂犬病予防注射月間」

とありますね。ワンちゃんとともに生活を送られている皆さん!ぜひとも最寄りの動物病院にて大切な家族に予防接種を受けさせてあげてください。
 
 
でも、日本では狂犬病なんて発生してないじゃない。

という声はやはり耳にします。日本では1956年を最後に発生報告はありません。世界中で毎年のように狂犬病による死亡者が報告されているというのに、なんとすばらしいことでしょう。(ただし、海外からの帰国後、狂犬病を発症し死亡された日本人は1970年に1人、最近では2006年に2人と、国内で発症した事例は存在しています。日本と同じ感覚で「ワンちゃんかわうぃ~(‘ω’)♪」と手をさしのべるのがいかに危険かはご存知のとおりです。)
そのせいか、厚労省の発表によるとワクチンの接種率は全国では71.6%にとどまっており(平成26年度)、年々減少傾向にあります。
我が鹿児島県でも、接種率は74.5%(H23年度)→74.2%(H24年度)→74.1%(H25年度)→73.0%(H26年度)とやはり減少傾向です(下図参照)。

おそろしいのは感染後、発症すればほぼ100%死亡することです。死んでしまうのです。
狂犬病ワクチンの接種率が減少しているのはご存知の方も多いでしょう。それだけでなく、「徘徊犬」とよばれるいわゆる捨て犬たちが毎年4万頭以上報告されているのはご存知ですか。

海外から動物が日本国内にやってくることも今では珍しくなく、おそらく毎日のように海や空をわたってきていることでしょう。イヌに限らず哺乳類であれば狂犬病ウイルスには感染します。感染動物が日本に侵入し、徘徊犬に感染し、さらに別な犬へ、また他の犬へと広がっていけば、あっという間にあなたの家族のすぐそばまで狂犬病ウイルスは近づいてしまうでしょう。もちろん感染するのは犬だけではないですが。

あなたの大切な家族を守るためにも、今年も忘れずにワクチン接種をうけさせましょう♪

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