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桐野有美のコラム
「子牛の口に入るもの−10」

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2009年3月25日

 生まれたばかりの赤ちゃんにいきなりステーキを食わせても、筋肉ムキムキになるわけではないどころが消化不良で大変なことになってしまうように、発育段階を無視したエサを子牛にやってもろくなことはありません。まずはスタータでじゅうぶんな栄養を与えると同時に、しっかりとした胃袋を育ててあげましょう。
ここで重要なポイントは3つです!
(1)生後3日目くらいから練習:一週間から10日もすれば、敷き藁や母牛の餌に興味を示し始めます。それより前にスタータを口に入れてあげて「これがおまえのエサだよ〜」ということを教えてあげると、しだいに自分から食べるようになります。5粒くらいずつ口に入れて、パクッと閉じてやる、を2、3日続けてみます。タイミングは哺乳の直後、もっと飲みたい!という時がいいみたいです。
(2)清潔な水をじゅうぶんに:母乳やミルクは水分補給とはとらえないでください。スタータを食べるには、必ず水が必要です。また、のちに第一胃で繊維を発酵消化する微生物たちが増殖するためにも水分が必要です。第一胃の容積を大きくするだけが「腹作り」ではなく、その中の微生物たちを育むことも大事な「腹作り」です。
3)継ぎ足し厳禁:はじめはそんなにたくさん食べられないので、スタータが残ってしまうのですが、スタータは放っておくとすぐ変敗します。ですから最初からあまりどっさり入れる必要はないです。残ったのは捨てて、エサ箱はきれいに洗浄し、乾燥させて、必ず新しいエサを入れましょう。
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