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桐野有美のコラム
「子牛の口に入るもの−9」

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2009年3月11日

 子牛は人間の赤ちゃんと違って、生まれた時点で歯が生えそろっていて咀嚼することができます。そのため、1週間から10日もすると敷きワラや母牛の餌などをモグモグやっているのを見かけますよね。でも粗飼料を消化するには大きな第一胃とその中に棲む微生物のはたらきが必要です。図を見てみましょう。子牛の胃袋の構成はまだ母乳やミルクを消化するための第四胃がメインで、粗飼料を消化するための第一胃はツルンとした管が少しふくらんだ程度のものです。この第一胃がぐっと大きくなり、その胃壁もゴワゴワと分厚く発達してくるのは、これからまだあと3ヵ月後のことです。
 どうせ何か母乳(ミルク)以外のものを口にしたがるのだったら、第四胃で消化できるものを与えよう!ということで発明(?)されたのが、スタータとよばれる餌です。哺乳期にスタータをいかに早くしっかりと食べさせたかによって、離乳後の発育が大きく違ってきます。次回はスタータを食べさせるコツとそのときの注意点を書いてみます。
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