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桐野有美のコラム
「子牛の口に入るもの−8」

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2009年3月4日

 どうしても哺乳瓶を嫌がって飲んでくれない、というときはストマックチューブや経鼻カテーテルで直接食道から流し込む方法をとることがあります。
 ここで、人工的に流しこんだ子牛は初乳成分の吸収が悪かった、というデータがあります。直接流し込むこと自体が吸収率に悪い影響を及ぼすのかもしれませんし、あるいは人工的にチューブで流し込まなければならない状況そのもの(子牛が自力で立てず、飲乳欲も乏しい状態)に問題があるのかもしれません。ただ一方で、自力で立ち上がって母乳を飲みたがる元気な子牛であれば、哺乳瓶で飲ませようがチューブで流し込もうが初乳成分の吸収は同じくらい良かった、という実験結果もあります。
 ということで、分娩前後の母牛の管理を徹底して活力のある子牛を産ませることが初乳の吸収のためにも大事だと言えそうです。
 ちょっと話題がずれましたが・・・初乳のお次はどんなものを口にすることになるのでしょうか。人間の赤ちゃんのように母乳だけを飲んでいればOK、ということならいいのですが、子牛はそうはいきませんよね。
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