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桐野有美のコラム
「子牛の口に入るもの−7」

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2009年2月25日

 実際に初乳を飲ませるとき、まったく母乳を飲ませてもらえず腹ペコだったらうまくいくのですが、補助的に飲ませる場合、特に和牛はなかなか哺乳瓶に吸い付いてくれない、という声をよく聞きます。嫌がる子牛の口に無理やり押し込もうとすると、怖がってますます嫌がり、場合によっては初乳が気管に入って肺炎をひきおこすことも珍しくありません。
 あちこちの篤農家さんから教わったコツは、とにかく母牛の乳首から飲んでいるような錯覚(?)を起こさせることです。つまり・・・a)母牛がするように静かに声をかけて撫でる、 b)飲ませる前に、肛門をやさしく刺激して胎便の排泄を促す、 c)人間のふとももの間で飲ませる、d)哺乳瓶の乳首は正面から突っ込まず、口の横からすべりこませる、 e)乳房で押さえられているような感じで子牛の鼻の顔を上から少し圧迫する、 f)どうしてもミルクがだめなら経口補液剤などを少量あたためて哺乳瓶で飲ませてみる などなど。
母牛から十分な初乳を摂取することが理想ですが、それが叶わないときは試してみてください。
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