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桐野有美のコラム
「子牛の口に入るもの−4」

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2009年1月28日

 立ち上がった子牛は、今度は乳房を探して乳首をくわえようとします。ここで牛床がジメジメしていると、初乳の前に、汚れた乳房に付着したばい菌をしゃぶることになりますよね。(しつこいようですが)やはり分娩室は清潔&乾燥が鉄則です!
 本来、初乳が何よりも先に口に入って、あらゆる病原体から消化管粘膜を守らなければならないのに、それより先に病原体が侵入するチャンスがけっこうあるんだということに驚かされます。ちなみに・・・今シリーズでは「子牛の口に入るもの」に注目して書いているため、詳しくは割愛しますが、ちぎれたばかりのへその緒(臍帯)も病原体にとってかっこうの侵入口となります。ここから入った菌が血流にのって全身をめぐり、生後まもなく死に至ることも珍しくありません。
 さて、ようやく初乳を飲む段階にきました。
 「初乳は子牛の免疫力獲得のために不可欠ですよ!」というお話は、さまざまな場で詳しく語られていますので、ここでは現場での方法論に焦点を当て、勘違いされやすいところや、どうやったら意味のある初乳給与ができるかについて書いてみようと思います。
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