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桐野有美のコラム
「お産の話 「まとめ」」

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2008年12月24日

 「積極的にお産に臨む」こと、それはそのまま、「積極的に繁殖管理・仔牛育成管理に臨む」ことを意味します。
 一年一産を達成して無駄のない経営をしたい、たびたび発生する仔牛の下痢・肺炎から開放されたい、すくすく育った良い仔牛を市場に出してみたい・・・繁殖農家さんの共通の願いだと思います。そして、そのためにはどうしたらいいか?という話題になったときに、だいたい多くの方の興味が集中するのが、「どうやったら発情を見つけることができるか」「仔牛にはどのワクチンを打てば病気しないか」「どんな添加剤を使えば仔牛が発育するか」「仔牛にはどのエサを食べさせればいいのか」ということです。母牛が安心できる清潔な環境で、十分な体力をもって安全に仔牛を分娩することの重要さはあまり認識されていないように感じます。母牛の管理をおろそかにしていては、産まれた仔牛に慌てていろんな注射をしたり薬を飲ませたりしても、その効果は半減です。次の発情だってなかなか来ないはずです。一方、お産に対する意識の高い農家さんの牛舎では、ツヤツヤしたのびの良い仔牛が走り回っています。そんな状況を現場で見ながら、「分娩前の母牛の管理と分娩環境の整備は、繁殖農家さんの経営の要だなぁ」と感じ、今回このようなコラムを書いてみました。知っているようで知らないお産のあれこれ、繁殖成績や仔牛の発育との関係、などなどいろいろ書いてきましたが、毎日のお仕事のヒントになったら嬉しいです。
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