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戸田克樹のコラム
第74話「白血球のおはなし⑤~がんばりすぎは禁物です~」

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2016年2月22日

これまで行ったことがない農家さんから往診の依頼が!住所を聞いて、「道が分からなければスマホの地図アプリで検索だ!。近代文明って便利だなぁ♪」と化学技術の進歩に感謝しながら往診へ。

ここからどうやっていけばいいのかな。迷った!!
早速スマホで検索だ。
「あれ…ない」。

事務所にスマホを忘れたまま出発した戸田に、なすすべはありませんでした。
交番にかけこみ、住所を伝えて道路を確認。巡査さんありがとうございました。
近場まで着いたら農家さんに電話してそこまで迎えにきてもらいました。
ひとのやさしさに触れた1日でした。みなさん、たいへんお世話になりました。
 
 
さて、今回は好酸球がターゲット。

体に侵入した異物をバクバクと食べてくれる好中球と違って、好酸球が大きく関わってくるのは「アレルギー反応」です。さらに、寄生虫が体に侵入したときにも非常に活発化し、数がぐーんと増えてきます。

好酸球のやる気スイッチが入ると、

「まだアレルゲン(アレルギー原因物質)と戦うよー!!」
「なに休んでんの?まだ終わってないよー!」

という信号を免疫細胞に送り続けてしまうというやっかいな性質が(泣)。
(Th2サイトカインという、免疫反応の活性化に必要な物質を好酸球は分泌できちゃいます。自分でこの物質を分泌することで、自分の活性も上げて、なおかつ周囲も巻き込んで…という流れです。こうなると免疫機能はその活動を続けるしかなくなってしまいます。)

本来は体を守るためにがんばってくれる免疫機能ですが、こうなるとやっかい。オーバーワークした免疫システムが体に悪影響を及ぼすというまさかの事態へと発展します。
花粉症に代表されるような「アレルギー症状で体調を壊してしまう」という結果に…。

アレルギー反応の根本は体を守るためのシステム。アレルギーという病気は、体を守るための免疫反応がただ「行き過ぎただけ」という不思議な状態なのです。
働き過ぎは免疫の世界でも不具合を生じてしまうのですね。

コラムをご覧の皆様もご注意を!
適度に休みをとりつつ、オーバーワークにならないように日々元気に働いていきましょ~♪

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