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桐野有美のコラム
「お産の話−54 「やっぱり看護(1)」」

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2008年10月29日

 「トラブルの芽」に気づき、手遅れにならないようにそれを摘みとることも大事です。「トラブルの芽」とは、難産になりそうだぞ、という兆候のことです。
 まず・・・
・母牛が未経産である場合
・分娩前の母牛の栄養管理がうまくいかなかった場合
・以前のお産が難産だった場合

などは、すでに要注意です。必ず分娩を監視しましょう。それ以外にも、予期せぬトラブルの芽が顔を出すかもしれません。「お産の話-15」でもお話しましたが、分娩の流れをよく頭にいれて、破水の発見後1時間たってもまったく進展がなければ、一度産道に手を入れて、分娩が正常に経過しているかどうか確認してください。正常ならそのまま放っておいていいと思います。この時点で、たとえば
・胎仔の姿勢が異常
・母牛の陣痛がすごく弱い
・出血がある
などのトラブルの芽に気づくことができればひとつの命を落とさずにすむかもしれません!
 そうは言っても、特に今みたいな農繁期にはそうそう牛舎にいられないよ、というのもごもっともです。特に多頭飼育になればなるほど、分娩監視はついついおろそかになりがちです。次回は分娩監視の大きな助けとなる機器についてご紹介したいと思います。
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