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お産の話−51 「まずは栄養管理(12)」 |
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2008年10月8日
炭カル(炭酸カルシウム)やその他のカルシウム剤などをあらかじめ配合飼料に混ぜてあるので、カルシウムの補充はいらないという農家さんには、とりあえずビタミン類だけを補充するために、分娩前の増飼スタート時点や分娩房に移動させるときなどに、液体の複合ビタミン剤を注射器でチュッと飲ませてもらっています。そういう「作業の節目」で実施するようにすれば、忘れることがないですよね。 一方、カルシウムなどのミネラルも一緒に投与したい農家さんや、「口から薬を飲ませるのが面倒」という農家さんには、ドン八ヶ岳ADE(ゼノアック)という添加剤を分娩前一、二ヶ月と分娩直後に、それぞれ50g×10日間ずつ添加してもらっています。こちらは、粘膜を健全に保つのに必要不可欠な「亜鉛」も豊富に入っているので、重宝しています。また、亜鉛は特に高齢牛のヒザのトラブル(骨軟症)も予防してくれますし、ビタミンAの吸収・利用も助けてくれます。 栄養管理でお産のトラブルを回避する、というお話はここまでです。いろんな最新技術や便利な添加剤の効果を実感するためにも、まずこの土台作りをしっかりやってみましょう。

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