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戸田克樹のコラム
第72話「白血球のおはなし③~ストレスと免疫~」

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2016年2月8日

獣医師国会試験まで残り1週間となりました。
全国の獣医師志望受験生のみなさん。今は想像を絶するストレスと闘っている最中でしょうが、そんな日々もあと数日で終わります。
もう一息、もうひとがんばりです。
 
 

さて、そんな受験生が今もっとも抱えているであろうストレスと免疫の関係が今回のテーマ。

ストレスが続くと、体の調子が悪くなりますよね。
カゼを引きやすくなったり、なんか体調がすぐれなかったり…。
あれって、なんでなんでしょう。

ストレスを受けると、体がそれに対抗しようとがんばります。
そのときに活性化するのが「交感神経」さん。
普段は副交感神経と五分五分のバランスをうまく保っていますが、交感神経がぐーーん!と活発になると、「アドレナリン」という物質がわんさか、わんさかと分泌されます。


(バランスが崩れると一気にアドレナリンが…)

アドレナリンは、白血球の数をぐーーん!と増やしたり、その活動性をぐーーん!と上げてくれます。
 
 

「え??じゃあ、体にとってはいいことなのでは?」

たしかに、一時的には。

体内に侵入した異物と戦った白血球たちが産生してまきちらした「活性酸素」がここで悪さをしてしまうのです。
ばらまかれた活性酸素は周囲の細胞をどんどんと傷つけていきます。


(イメージ図。異物との戦いでがんばった白血球からはたくさんの活性酸素も…)
結果!
体はダメージを受けてボロボロに…。

なんてこったい。

体を守るための物質のせいで、まさかの展開となってしまうのです。

何ごともほどほどが一番なのですが、難しいものですね。

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