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桐野有美のコラム
「お産の話−43 「まずは栄養管理(4)」」

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2008年7月30日

 お産前の栄養管理、ということで、いろんなサプリメントを用意するのもいいのですが、ここで大事なポイントは、まずはタンパク質やカロリーなどの基本的な栄養をしっかり摂らせてあげることです。お腹の中にいる胎仔はタンパク質のかたまりみたいなものなので、それをまるまる作り出すためにはたくさんのタンパク質が必要ですし、同時にエネルギー源としてカロリーもたくさん必要です。というわけで、まず餌そのものを少し増やします。
 一般的な目安として、粗飼料を1kg、濃厚飼料を1kg増やします。仔牛の生時体重が小さい場合は、増量分としてタンパク質の豊富な育成飼料やヘイキューブなどを利用するのもいいと思います。でも、本当は現在どのような餌を使っているかによって増やす量が違いますので、かかりつけの獣医さんや、普及員さん、技術員さんに量を設定してもらうのが安心です。
 もちろん、餌を増やすときはいっきに増やさず、段階的に、です。また、母牛のボディーコンディションをよく観察して、この時期にいきなり太ったり痩せたりさせないようにしてください。
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