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桐野有美のコラム
「お産の話−39 「お産を積極的に迎えるための工夫」」

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2008年7月2日

 ここまで、助産のシミュレーションをしながら、同時にさまざまな難産のケースを紹介してきました。その中のいくつかは、遭遇したどの農家さんも「もう何十年も牛を飼っているけど、こんなのは初めてだ!」とおっしゃるものです。でも、たとえ実際に遭遇するのは初めてだとしても、そういうものがあるんだということを知っているのと知らないのとでは、その場での心の持ちようが違うと思います。このコラムがその一助となれば幸いです。
 そしてもうひとつ、お産を積極的に迎えるために大事なことがあります。それは、お産のトラブルを未然に予防するということです。難産にはどうしても避けられないものもありますが、飼養管理を工夫することで予防できるものもかなりあります。難産となる要因を最小限にして、「どんとこい!」という気持ちでお産を待ちましょう。
 項目としては、母牛の栄養管理、母牛の飼養環境、種雄牛の選択、母牛のワクチネーション、異常分娩の早期発見(看護分娩の工夫)といったものですが、それぞれについて具体的なお話をこれからしていこうと思います。
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