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まずは急いで獣医さんに電話です。時間がたてばたつほど、子宮を中に押し戻すのが困難になります。反転して脱出した子宮は、うっ血、浮腫を起こし膨張します。また、敷き料や糞便で著しく汚染され、傷つきます(こういうことを考えても、やはり分娩室はできる限り清潔にしておき、敷き料は長めのワラがいいですね。こびりついたノコ屑はなかなか洗い落としにくいです)。 母牛が座り込んでいる場合は特に汚染が激しいので、きれいなぬるま湯で洗い流し、子宮全体をビニールで覆っておくと損傷を最小限におさえることができます。母牛が起立している場合は子宮が地面に向かって垂れ下がるので、その高低差のせいで血のめぐりが妨げられ浮腫が進みます。同じくぬるま湯で洗って、ビニールで覆い、ベニヤ板か何かにのせて陰門より高く掲げておくと血行が改善して浮腫がおさまり、押し込みやすくなります。あるいは、膨張した子宮をしぼませるために、洗浄したあと、お砂糖をまぶすこともあります(浸透圧を利用)。いずれにしても、子宮を扱うときは清潔に、優しく。刺激を与えると、母牛はなおさら強くいきんで状況を悪化させることもあります。獣医さんに電話で指示をあおいで、できることをやっておくと、その後の繁殖供用の可能性も高まります。 |