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桐野有美のコラム
「お産の話−36 「双子 (その2)」」

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2008年6月11日

 お産の最中に双仔だとわかるパターンは、だいたい「産道から足が3本以上出てきた!」というときです。このようなときに仔牛の足二本にロープをかける場合、二頭の足をそれぞれ一本ずつ選んでしまうことがあります。それではいくら引っ張っても二頭いっきに産道に突入してひっかかるだけで、どちらも出てきません。両足のペアをよく確認しましょう。一本の足を押したり引いたりして、それについてくる足を見つければOKです。一頭目を牽引する前に、もう一頭を奥へ押し戻して、スペースを確保してから牽引します。
 一方、一頭目が娩出されてしばらくしてからもう一頭が分娩体勢に入るパターン(こちらの方が多いようです)だと、お産の最中には双仔だと気づかない可能性があります。一頭だと思ったら、翌朝もう一頭産まれてた!という経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。二頭目も無事に出てきて、母牛がそれにきちんと対応していればいいのですが、一頭が通路にはじき出されていたり、溝にはまって冷たくなっていたりすることもありますので、必ず!お産のあとは、もう一度きれいに洗った手で産道の中をそっと探って、もう一頭入っていないかチェックするようにしてください。
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