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蓮沼浩のコラム
第431話:ターゲットを攻撃する

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2016年1月21日

 強烈な寒波が襲ってきたことで、全国的に大雪になっています。皆さんのとことは大丈夫でしょうか?南国鹿児島でも先日は雪が降り、山間部では雪が積もっていました。つい先月まではびっくりするぐらい暖かい冬だったのですが・・・。久しぶりの雪道での運転。超安全運転での往診です。事故と怪我は一瞬ですからね。

 生後間もない子牛の下痢の原因となる病原微生物といえば、ロタウイルス、コロナウイルス、サルモネラ、大腸菌、コクシジウム、クリプトスポリジウムあたりが有名です。これら以外にも母乳性白痢など母乳が原因の下痢もあります。他にも管理の問題やら栄養の問題など、それこそいろいろと原因はあるのですが、普段の診療では便の状態などから原因をある程度予測して治療しているのが現実だと思います。
 しかし、下痢が多発したり、治りが悪かったりする場合はやはり原因をはっきりとさせることは重要です。今は簡単に検査できる糞便の検査キットが発売されているのですぐに調べることができます。顕微鏡で糞便検査もすぐにできます。さっと検査をし、その結果を農家さんと一緒にみてすぐに対策をとる。当たり前のことですが、非常に重要なことです。多くの下痢で困っている牧場は、実は何が原因で下痢が出ているのかほとんどわからずに、只々困っているところがあります。ターゲットを見つけることなく、ただ闇雲にいろいろしても残念ながら本当の意味での改善は非常にむずかしいものがあります。検査から病原微生物が関係ないことがわかれば、今度は環境やミルクなどの問題に意識を集中できます。本質的な原因がわかれば、治療や対策を行う時の気持ちが全く違いますよ。答えはすぐに見つからないことは多いですが、絶えず「なぜ? 何故? Why?」と疑問を持ちながら日々の仕事をしていれば、必ずひょんな時に答えがでてくるときがあります。悩むのではなく、考える。大事なことですね~~~。

原因を特定する。非常に大事なことですね。

原因を特定する。非常に大事なことですね。

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