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椎葉絢香のコラム
割り込み! ~耳血腫の治し方③~

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2016年1月20日

 では、最後に“焼烙(しょうらく)療法”について説明しようと思います。

 焼烙は、競走馬の世界で昔から行われてきた治療法のひとつです。馬では、腱炎、靭帯炎、骨瘤・変形性関節炎(骨が変形する病気)などの病気に対して行われてきました。

 馬では、皮膚の上から火傷するほど強く熱したコテを押し当てます!!コテで前膝の部分に等間隔に小さな火傷を作っていくそうです。

 『なんで関節の中や骨の病気なのに、皮膚焼くだけで治るの-??\(゜ロ\)』
と…めちゃくちゃ疑問に思った人もいるのではないでしょうか。
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 実は、私が一番思いました(笑)

 調べてみると…
 ・抹消神経を焼き切って痛みをなくす。
 ・麻痺させてどこが痛いのか分からなくさせる。
 ・休ませる口実。
 など…

 どれも根本的治療にはなっておりません!ですよね~((+_+))

 さらには、イギリスでこういった病気での焼烙治療の効果を明確にするための研究も行われたのですが、最終的に効果なしとの結論に至ったそうです。それ以降、競走馬の関節炎や骨が変形する病気に対しての焼烙療法は、“動物虐待だ!”とも言われ、現在ではほとんど行われなくなってきました。

 しかし、耳血腫のような病気については、話は別です!非常に効果を発揮します。………つづく(*^▽^*)

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