2016年1月8日 前々回に引き続き、子牛の循環器系についてのお話です。胎仔の間の重要な酸素供給源は胎盤からの酸素です。しかし、胎盤からの酸素は肺からの酸素に比べてあまり効率の良い供給機構ではないので、胎仔は低酸素状態に上手く対応するための特別な赤血球を持つ等して対応しています。 出生後は自分の肺で呼吸するという大改革が体の中で起こるため、胎仔は妊娠後期でわずかながらの呼吸動作を行います。肺呼吸に備えて練習をしているのですね。 胎仔がいよいよ外の世界へと出ていく準備ができてくると胎仔の副腎皮質という臓器からコルチゾールを出すことで母牛に「そろそろ出ますよ。」とサインを送るのです。胎仔の血清コルチゾールが上昇するに比例して、肺の成熟も進んでいきます。 前の記事 第113話:クリスマス | 次の記事 第115話:子牛についていろいろ・・・⑳ |