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寒中お見舞い申し上げます。

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2016年1月4日

 寒中お見舞い申し上げます。

 正式には松の内があけてから書くべきなのですが、コラムには当番があるので早めにすみません。
 昨年中は、シェパード共々皆さまには大変お世話になりました。年々、一年のすぎるのが早く感じられるようになりました。
 この冬は、基本的に暖冬ながら急に冷え込む日もあるので、子牛も体調を崩しやすいと思います。意外と寒さが緩む日に体調を崩すんですよね。

 前回のコラムでは、肺炎の後処置について書かせていただきましたが、その薬剤の一つ一つの目的については触れていませんでした。今回少しだけそれに触れておこうと思います。

 まず、肺炎を起こすと、肺の症状以外に大きく二つの障害が起きると僕は考えています。その一つが「骨軟症」です。その仕組みについてはいろいろあるのでしょうが、僕は肺の機能の一つに骨端や軟骨形成を起こす物質の分泌があると考えています。もちろんまだ見つかってはいませんが、僕は現場巡回の際に、肺炎の履歴のある牛さんを見分けられます。一緒に巡回された方はご存知なのですが、この際最も注目しているのが、牛さんの歩き方なのです。ですから、肺炎後処置の1回目は、骨端や軟骨の発育を改善するために、ビタミンDとビタミンA、それから亜鉛と銅、カルシウムを与えます。
 それから肺炎の際に起こる二つ目の障害が「生体内酸化」です。難しく聞こえますが、簡単に言うと「身体が錆び付くよ」ということです。肺炎の際に、牛さんは毒ガス(活性酸素などの酸化物質)を出してバイ菌をやっつけます。この時、牛さんの身体も毒ガスで参ってしまうので、解毒剤として抗酸化剤のビタミンEを多量に使うのです。それからパントテン酸カルシウムは、一般に強肝剤として知られていますが、実は全身の細胞にエネルギーを作り出す物質なのです。

 それでこれらのものを組み合わせて使うのですが、「なかなか注射はできない」という声にお応えして、飼料添加ですませるように考えてみました。
まず最初の月は、ドン八ヶ岳ADE(ゼノアック)を体重100kg(2017年1月4日訂正)あたり10g(大きな牛さんでも上限は50gです)を20日間とリカバリーM(バイオ科学)を体重100kg(2017年1月4日訂正)あたり20~200g(ずいぶん幅があると思われるでしょうけど、副作用はないですから症状が重い子は多めにしてください)を20日間飼料添加し、次の月からは5~10日間与えます。
 通常は2ヶ月目の投与時に効果が実感できると思いますよ。

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