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それでは牽引を始めましょう。いま、母牛の産道からは、三つのロープが垂れ下がっている状態です。ひとつは、仔牛の頭にかかっており(以下、頭ロープ)、あとの二つはそれぞれ右足、左足にかかっています(以下、足ロープ)。 滑車やジャッキがある場合は、頭ロープをそれにつなぎます。足ロープは直接持って引っ張ります。そして、これらのロープを引っ張る一方で、ひとりは産道に手を入れて仔牛の産道通過を手助け(←これについては後述)します。 つまり理想的には、引っ張り担当が三人(滑車と足二本)、産道で仔牛の手助けをする担当が一人、合計四人いればよいのですが・・・そんなに人手を集められないよ、ということもよくあると思います。 そんなときは、ひとりが足ロープを滑車につなぐなり直接引っ張るなりして、もうひとりが頭ロープを腰に巻きつけて固定します。腰に固定したロープに体重をかけて体全体で引っ張りながら、手は産道内で仔牛の手助けすることができます(図参照)。 分担のパターンは他にもいろいろありますが、パニックになって怒鳴りあいながらがむしゃらに引っ張るのではなく、人数とそれぞれの経験レベルに応じて作業を分担し、協力して作業しましょう。 |