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母牛の産道の構造がわかったところで、中の様子を手で探ってみましょう。 仔牛がすでに触れるところまで来ていたら、仔牛の体勢をチェックします。まず、仔牛が頭から前進で出てこようとしているのか(頭位)、後ろ足からバックで出てこようとしているのか(尾位)、を判断しましょう。つまり、いま産道にある仔牛の足が前肢なのか後肢なのかを確認するのです。このとき、蹄の向きだけで判断する人がいますが、それだと仔牛が仰向けなのか腹這いなのかで全く逆の答えになってしまいますので、必ず蹄より上のほうの関節を触って判断します。図をご覧ください。蹄底に向かって足が曲がれば前肢です。逆に、蹄底とは逆の方向に曲がれば、後ろ足です。この場合、関節の形そのものも、前肢/後肢で全然違うので、実際の肢の形をイメージしながら触るとよくわかります。 次に、仔牛が仰向けなのか腹這いなのかを調べます。牽引するときは、前肢からであれ後肢からであれ、必ず仔牛が腹這いの状態でないといけません。頭位の場合は、蹄底が地面を向いているときが腹這いです。尾位であれば、蹄底が天井を向いているときが腹這いということになります。
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