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第111話:子牛についていろいろ・・・⑰ |
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2015年12月11日
ルーメンの話に続きまして、第4胃の病気についてお話しします。子牛にとってはミルクを消化するために大変重要な働きをしてくれる臓器の1つですので、ここに疾患が起こると非常に厄介です。
第4胃に流入したミルクの異常発酵が原因で起こるとされているのが第4胃鼓脹症です。原因としては給与するミルクの量や温度とされています。第4胃は異常発酵により産生されたガスで満たされ、膨らんできます。聴診すると金属音が聴取されることもあります。
鼓脹症や消化不良による下痢が続くと第4胃潰瘍が誘発されることがあります。第4胃潰瘍は症状により分類されるのですが、胃壁に穴があくレベルにまでなると、そこから内容物が漏れ出し、そこから腹膜炎へとつながってしまうのです。
子牛の4胃の疾患はまだまだよくわかっていない部分もありますが、やはりミルクを適切な量と濃度、温度で与えることが予防上重要です。
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