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桐野有美のコラム
「お産の話−17 「準備 〜中編〜」」

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2008年1月30日

(あれば)滑車やジャッキなどの牽引器
 牽引器は諸刃の剣で、使い方にはかなり注意が必要ですが、うまく使うととても便利です。わたしは畜産用品として販売されている助産用の四連滑車を愛用しています。たとえ仔牛がツルンと出てきそうな小さいものだとしても、念のため設置します。引っ張ってる最中に「やっぱり滑車が必要だっ!」と思い直して、急いで車に取りに行ってもパニクっちゃって滑車がこんがらかっちゃって・・・悲惨なことになりそうだからです。(ちなみに、母牛の後方に滑車の端を固定する丈夫な柱か柵がない場合はジャッキタイプの方がいいと思います。また、ジャッキだと母牛の体勢や仔牛の状態によって引っ張る方向を自由に変えられるというメリットもあります)
 いずれにせよ、仔牛の足を運搬車やトラクターなどにつないで引っ張るのはすごく危険なのでおすすめできません!
わら
 分娩房に敷き詰めます。ノコくずなどの細かいものは仔牛の口や母牛の産道に入りこんでしまいやすいので、長めのわらがいいと思います。もちろん分娩房をあらかじめ清潔にしておくこともお忘れなく!
タオル 
 仔牛が息をしないときに口の中の羊水を拭ったり、体をこすったりするときに使います。清潔なものを3、4枚。
ロープ類
 最低三本。母牛を柱につなぐためと、母牛のしっぽを結ぶため(これは細いものがいいです)、そして滑車を柱に固定するのに使います。
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