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松本大策のコラム
中国牧場奮闘記 その23~そろそろ現状をお目にかけましょう~

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2015年11月30日

 中国で肥育の指導をはじめてそろそろ12年になります。これまでお話ししてきたように、いろいろな苦労がありました。それら一つ一つを解決しながら、ようやくクライアントの満足する牛肉の提供ができるようになってきました。


(写真1)


(写真2)

 まずは写真1を見てみて下さい。サシの盛り上がり方などもとても良いでしょ?そして写真2。こちらは、クライアントの焼き肉店で出している3品盛りの写真で、これで6人前(つまり、一人3切れずつ)です。
 この3品盛り6人前の価格は、日本の高級店もびっくりの約28,000円!(1中国元の現在相場、約20円として)

 もちろんこの焼き肉店は、北京オリンピックの際のヨットレース会場だったチンタオのヨットハーバーを一望できる高級店です。地下の駐車場には、BMWやベンツは当たり前。アストンマーチンやマセラッティーなどが並んでいます。

 中国への技術流出を懸念する声がたくさん寄せられていますが、そこはまったく心配いりません。なぜ?って、あちらの牧場では、毎回僕が「ビール粕は何Kg与えてる?」とか、「ここのわらの量は?」とか聞いても、「いまはやってません」とか、とにかく彼ら流の「合理化」が勝手に進行してしまうので、月に一度は眼を通して修正しなければならないのです。しかも牛の系統なんて存在しないどころか品種自体がバラバラの雑種。僕の経験から毎月飼料を調製しています。
 ね、こんな状況では技術流出は無理でしょ?

 さて、ここまでやったら大成功!といいたいところですが、そこはさすが僕の人生。そうたやすく勘弁しちゃくれません。そのお話しはこの次に...。


 

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