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                第107話: 臨床研究会に行ってきました | 
               
             
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               2015年11月13日 
               先日「鹿児島県家畜臨床研究会」がありました。私が大学生の時にお世話になった教授2名が来年退官されるということで、その講演会を聞きました。お二人の長年の研究成果や最新の知見等、興味深い話が沢山聞けたのですが、その中で気になった「寄生虫」のお話について少し皆さまにも紹介したいと思います。 
 以前私がコラムにも書いたことがあります肝蛭ですが、最近はその発生も昔に比べかなり減少したように思います。餌が変わったり、トリクラベンダゾールという肝蛭に最適な薬が登場したおかげです。しかしながら、このトリクラベンダゾールが販売中止となってしまいました。もうそんなに発生しないんだから良いんじゃない、という方もいるかもしれませんが、実は肝蛭症そして同じ吸虫類である双口吸虫症が最近になってまた増えているとのこと。その原因は鹿です。近年、鹿の頭数増加により人里に降りてくる個体が増えてきています。彼らにも吸虫は感染するので、感染鹿が田んぼで糞をすると、稲わらと一緒に収穫された吸虫が牛さんの元に届くわけです。 教授に伺ったところ、肝蛭に何とか使えそうな薬はプラジカンテルだそうです。しかし、双口吸虫に効く薬は(昔はあったのですが・・)今のところ見つかっていないとのことです。 
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