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数面麻子のコラム
第105話:ちょっと休憩・・・⑤

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2015年10月30日

 ウミガメの子供が海に放流されるのをテレビで見ることがあります。沢山の子供たちが子ガメが海へ向かう様子を観察し、自然学習をするというよく見る光景です。しかし、卵が孵化して子ガメが海に向かうのは、通常夜中から夜明け前の時間帯にみられるのが普通です。日中の明るいうちに穴から出てきて海に向かうと、外敵に見つかる可能性が高まるため、その危険性が低い時間帯に孵化するようになっているのです。となると、よく見られるウミガメの放流の時間帯は昼間ですので、孵化したウミガメはしばらくの間どこかで待機することとなります。しかしながら、子ガメは生まれてすぐ海へ向かおうとしますので、待機している間もジタバタして体力を消耗してしまいます。体力消耗後に放流することで、その後子ガメが海にたどり着けたとしても、泳ぐ体力が十分に残っておらず、生き残る子ガメの数が減るとも言われています。

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