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蓮沼浩のコラム
第424話:やっぱり、肺炎にしてはいけない その3

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2015年10月29日

 最近は休みの日はずっと何かしら用事があり、ほとんど休みという感じではなかったのですが、昨日は久しぶりに家でゆ~~~くりすることができました。小生の一番好きなことは、休みの前日に夜更かしして本を読むことです。本当に寝る前の布団の中の時間は天国です。そして休みの日の朝に布団の中でのんびりして、朝起きてすぐにまた本を読む。私にとって最高の贅沢ですね。

 先日あった熊本の学会でも気管支肺胞洗浄からの様々なデータを基にした発表が活況を呈していました。今後肺炎の研究が牛の世界でもどんどん進んでくれるとうれしいですね。しかし、あんなに気管支の中がバイオフィルムでいっぱいになっていると治療はどうしたものだろうと途方に暮れてしまいます。そこで、大学の先生に聞いてみるとナイスな答えが返ってきました。

先生曰く

「効く抗生剤を淡々と打ち続けなさい。」

 そうですよね。そのとおりですよね。本来肺炎の治療というものはそんなに甘いものではありませんよね。人間の世界では、肺炎と診断がついた時点でしっかりと感受性のある抗生剤をひたすら投与し続けます。肺結核の時などは2か月以上入院して抗菌剤を投与しつづけます。もちろん、治るまで。
 それなのに、肺の中がバイオフィルムでいっぱいになって、膿瘍を形成しているような状態で数日の治療で治るわけがないのです。やるとなったら、ものすごい時間とお金がかかるのです。そして治ればいいけど、治らない場合もあるときた日には・・・・

 やっぱり、肺炎にしてはいけない。うん、間違いない。

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