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戸田克樹のコラム
第57話「割り込みコラム 思いがけないIPM – part 1 -」

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2015年10月26日

下痢をしている牛さんには注意してください。

とある牛さんの治療中、柵を挟んで隣の部屋にいた牛さんが水下痢をしていました。
隣の部屋の牛ですよ!隣の!!

そして、治療を終えた戸田が顔を上げた瞬間

ビシャ!!!!!

何ですか。
なんなんですかあぁぁぁぁ!!!!!( ゚Д゚)

そうなんです。
隣の部屋にいた牛さんが、水下痢を放出すると同時に尾を左右に、しかもとても素早く何度も振ったのです。

尾によって左右に飛散した「それ」が見事に戸田の体、そして顔を直撃。
ビシャ―――ン!!!

皆さん、油断は禁物です。
たとえ隣の部屋である程度離れていたとしても、「それ」は確実に私たちのもとに届くのです。くれぐれもご注意を♪

さて、前置きが長いですがここからが本題です(笑)。

今回は思いがけず道具を改良(improvement)する機会がありましたので、ご報告コラムです。

「子宮に膿がたまっとる」

という稟告を受けて農家さんのもとへ。

授精師さんにみてもらったら「膿がたまってる」と言われた様子。
外陰部からは特有のにおいが少々。子宮は少し膨れ、「何か」がたまっている様子。エコーをあてるとふよふよとうごめいている膿を確認。

子宮蓄膿症ですね。

ということで、早速洗浄の準備へ突入。

シェパードで使用している洗浄道具はこちら!

(使い方については伏見獣医師コラムNo255を参照)

子宮内にカテを挿入し、固定。
生食を入れて直腸側から子宮を軽くもんだり、返したりしながら中にたまっている膿を出していきます。

本来であればで囲った部位から膿を含む汚れた水が排出されるのですが…

今回はなかなか出てきません。あれれ???(汗)

牛も嫌がってかなりお尻をふりふりするため子宮を返すのもたいへん。

入れた水と同じ量がかえって来るのが理想ですが、出てくる水は少量。

「どうしよう。どうしよう。」

一生懸命、牛を抑えてくれている農家さんを見つめながら戸田は焦りました。

むむむ、どうしたものか。どうしたものか。

つづく。

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