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桐野有美のコラム
「肝臓の話−15 「肝臓からのメッセージ (最終話)」」

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2007年9月26日

 この時期からの出荷牛においては、今お話している鋸屑肝が増えてくる可能性がありますので、もし自分のうちの出荷成績表で「肝廃」の文字が連続するようであれば、具体的にどんな「肝廃」だったのかを、関係機関を通じて教えてもらうのもいいかもしれません。自治体によっては、屠場での検査データを農家さんに提供しているところもあるようです。
(例えば、鳥取県食肉衛生検査所 様のページ
 繰り返しますが、肝臓廃棄そのものの損害よりも、その背景にある、「ストレス」や「第一胃機能不全」などについて考えるきっかけになれば幸いです。生菌剤や粗飼料などについてけっこう気を遣っているんだけど、実際に効果があるのかどうかよくわからない、というのは、当然といえば当然の感覚です。いつもの気候・いつもの環境であれば、バクバク食べてモリモリ太るのは、牛にとっては当たり前のことなのですから。でも、台風や熱波、高温多湿状態はある日突然やってきます。そのときになって慌てないよう、普段から(効果の有無に疑問を抱きつつも?)手厚い管理をしておくのが賢い経営なのかも、と最近思うようになりました。
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