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伏見康生のコラム
NO.326:首曲がり その3

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2015年10月7日

これらの所見から、私は中枢(脳や脊髄)ではなく抹消(筋肉や末梢神経等)の異常で首が曲がっているのではと考察しました。

では、異常部位は?
頸部を引き、後ろに向かせる筋肉が拘縮(固まって引きつっている状態)していると推察。触診できる程度の筋肉に大きな硬さや腫れは感じなかったため、深部の筋肉である可能性が高く、具体的には下図に示す「斜角筋」が原因であると診断。
(斜角筋は頭部を保持し、頸部を後下方に引き寄せるための筋肉)

原因となったものは?
農家さんが治療で肩に注射を打ったとき、長針が深部に到達し、斜角筋に注入され硬結を起こしたのではと推察。

ということで、第一段階として硬結している(と思われる)部位に狙いを定めて、デキサメサゾンの局注を複数個所に分けて数日間実施しました。

つづく

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