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戸田克樹のコラム
第54話「母性本能」

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2015年10月6日

 早い日没。月が顔を出すと聞こえてくる鈴虫の音色。染みわたる音色に、心しんみり。
 
 
秋ですね。戸田が一年で最もセンチメンタルになるシーズンがやってきたのです。どのくらいメンタルがセンチになるのでしょう。ちなみに去年は口数が減り、体重が増えました。あはは。さてさて、今年はどんなセンチ反応が出るのでしょうか。とても楽しみです。アッ!そんなこと書いているうちに気づいちゃいました。今年も残り2ヶ月なのですね。はぁ~。今年ももうすぐ終わってしまうのかぁ~。センチ…。

 さて、今回は思わず足を止めてしまうほどの母性本能をコラミングです。
 先日、とある農家さんにて子牛の駆虫プログラムを実施するために部屋へ。

飼槽の前に立つとジーっこちらを観察する子牛さん。警戒しております。

「だいじょうぶだよォ。なにもしないからねぇ。(・∀・)」
と話しかけながら部屋に入ります。少しでも警戒心を解くために。

しかし入った瞬間

スタタタっ!!!と逃亡。

まぁ、いつものパターンです。
こんなとき、戸田はいつもしょげています。「こどもに嫌われた感」が胸を突き刺します。
しょぼん(´・ω・`)。

お母さん牛はおとなしそう。今回は子牛だけをつかまえて処置することにしました。

子牛は怖がってお母さん牛の影から出てきそうにありません。

「仕方ない、回り込んで捕まえるか。」

と、次の瞬間

ドン!!!!

第54話「母性本能」

猛烈な勢いでお母さんが威嚇。

戸田、本当にビビりました!!!!
ぐっとこちらを見据えてお母さん牛は微動だにしません。
戸田と母牛のにらみ合いです。


……

少し間があき、戸田がたじろいだのを確認するとサササッと子牛のもとへ。
そして、首と体で子牛を包むようにしてがっしりガードしています。

発情が来て、農家さんや授精師さんが入れたタネ。
お父さんもわからない子牛ですが、それでも生まれた子牛を必死に守ろうとする本能に触れ、ちょっぴり感動しました。

びっくりさせてごめんなさい。

それから、感動をありがとう。

そんな感謝を込めて、今日のコラムをお送りしました。

かしこ。

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