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もうひとつの「鋸屑(のこくず)肝」は、正確に言うと病名ではなく、肝細胞の壊死が巣状(あちこちに点々と散らばっている感じ)に起こっている様子を表現した呼称です。 なぜ肝臓の細胞が壊死してしまうのか?についてちょっと考えてみましょう。肝臓は、微生物の出す毒素、化学物質、植物に含まれる毒素など、さまざまな毒性物質が体内に入ってきたときに、それらが最初に送り込まれる「解毒」担当の臓器です。肝臓は、そういった毒性物質を害のない形に加工するのに日々大忙しです。その解毒作業の途中で、ラジカル(過酸化物質)という困った副産物がどうしても作られてしまうのですが、これが、働き者の肝細胞を次第にむしばんでいくのです。 さて、さきほどから毒性物質、毒性物質と言っていますが・・・牛房の中に毒物が落ちているわけもないし、牛が毎日食べているものといえばみなさんが給与する安全なエサだけ、それも日々だいたい同じものを食べているのに、いったいその毒性物質はどこからやってくるのでしょうか? |