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桐野有美のコラム
「肝臓の話−7 「肝臓廃棄いろいろ」」

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2007年7月25日

 全国各地の食肉衛生検査所(屠場に併設されている県の機関。屠殺される動物を獣医が検査して、食肉衛生上の問題がないかを判断している)が、機関紙やHPを通じて、内臓検査にひっかかった件数や、その内容について公表しています。それによると、肝臓の廃棄は、だいたい15種類に分類されるようです。それは、肝炎 間質性肝炎 肝包膜炎 肝膿瘍 鋸屑肝 脂肪肝 胆管炎 肝蛭症 肝線維症 肝硬変 肝富脈斑 肝臓の色素沈着 肉荳蒄肝 肝砂粒症肝出血 といったものですが、いずれの肝臓異常であっても、多くの場合、枝肉成績の備考欄に表記してある「肝廃」の文字でみなさんに知らされていると思います。
 これらは、ひとつひとつがそういう名前の病気であるわけではありません。肝臓を刃物で開いたときに、肉眼でこういう異常が見つかった、ということです。あるひとつの病気で生じるたくさんの症状のなかの一つであるものも含まれます。
そういうことを考えたうえで、これらの肝臓異常の分類を見ていくと、どこの検査所でも件数でトップ5入りしており、かつ、肥育牛の発育や仕上がりと密接な関係をもつものが二つ見えてきます。どれでしょう?
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