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一番多いパターンが、やはり食欲不振での往診依頼で発覚するものです。これが一番農家さんの日々の作業で気づきやすい症状ですから当然ですが、他にもポイントを挙げるとすれば次のようなものがあると思います。 まずは便の性状。便の色が薄いときは要注意です。哺乳中の子牛が消化不良で白痢という白い下痢をすることがありますが、あれと似たような現象です。エサの種類にもよりますが、もともと肥育牛の便の色は黄土色〜山吹色です。この色のもとは、肝臓で作られ、そこから腸へ排泄される「胆汁」というの消化液(緑色と山吹色を混ぜたような色)です。肝臓が炎症を起こして、胆汁がうまく生成されなかったり排泄されなかったりすると、エサの中の脂肪分が消化されず、ベージュ色〜灰白色の便になります。 それから代謝性腸炎を繰り返している牛も要注意です。代謝性腸炎については、以前のコラム「ルーメンの話 第14話」で紹介しています。第一胃での発酵・吸収がまずいために起こるもので、繰り返すと肝臓に負担をかけます。
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