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では、肝臓がダメージを受けているかも?と疑うのは、どんな時でしょうか。前回もお話したように、肝臓の障害ではあきらかな症状に乏しく、この症状だとこれ!という決め手に欠けるので、牛が示すいくつかのヒントを総合的に組み立てないといけませんが、肝臓に負担のかかる時期を意識することで、疑わしい牛を摘発することができます。 まず、外から見て明らかにおかしい!というレベルの肝臓の障害。ものっすごく痩せる、右の肋骨をたたくと痛がる(ここに肝臓があります)、血液検査で肝酵素とともにγグロブリンの値がきわめて高くなる(これについては蓮沼先生のコラム第11〜15話を参照)、黄疸がでる(上下のまぶたをぐっと開いて粘膜を見るとなんか黄色っぽい)、異常行動・痙攣・昏睡などの神経症状を示す(肝臓での解毒・排泄がうまくいかないことで、毒性のある物質がずっと体内に滞り、ついに脳まで到達)など。特に最後の二つなどは実際の現場でもなかなかお目にかかりませんし、このレベルになると、治療しても簡単にはもとのムチムチ太った牛には戻りません。もちろん出荷予定直前とかじゃなければ治療にトライしますが・・・ まだ、数日の治療でどうにかなるのでは?というレベルの症状(こっちの方が重要ですね)は、次回。
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