(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
桐野有美のコラム
「肝臓の話−1 「夏が来る!」」

コラム一覧に戻る

2007年6月13日

 田植えで忙しくしている今日この頃、日に日に暑くなってきましたね。これから夏にかけて、特に肥育後期の牛にとっては本当につらい気候が続きます。なにせ何百キロという肉を背負って、その上に牛革の革ジャンを羽織って、さらに毛皮のコートまで着ているのです。しかも彼らは、メタボリック症候群。暑熱ストレスだけで命にかかわるトラブルを引き起こすこともあります。
 暑熱ストレスで障害が生じるのは、主に心臓や肺といった循環器・呼吸器系、そして全身の解毒処理をしている肝臓です。前者に関連した夏場の肺水腫にも御用心、ですが、今回は、後者の肝臓について取り上げてみようと思います。
 肥育牛のなせる業、つまりしっかり食ってしっかり身につける作業は、エサに負けないルーメン(第一胃)、そして働き者の肝臓があってこそ。この二つの武器があるからこそ肥育牛は肥育牛としてやっていけると言っても過言ではありません。ルーメンについてはこのコラムの最初のシリーズで扱っていますので、あわせて御一読ください。
|