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数面麻子のコラム
第98話:子牛についていろいろ⑧

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2015年9月11日

 今回は子牛の胃の成長についてみていきましょう。生まれたばかりの子牛はお母さんからのミルクのみが栄養源になるので、単胃動物と同じような消化吸収過程を取ります。牛さんの大きな特徴であるルーメンも最初は胃の容積全体の30%くらいを占めるのみです。しかし、ルーメンは子牛の成長とともにどんどん大きくなり、生後4週間では70%を占めるまでの成長を遂げます。子牛のルーメンを大きくするうえで重要なものの1つが、粗飼料の物理的刺激です。粗飼料が子牛のお腹をチクチクと刺激することで、子牛のルーメンの容積を広げてくれるのです。子牛は生後1週間くらいから、粗飼料や固形飼料を食べる練習を始めます。子牛はお母さんの食べるものを「食べ物である」と覚えるので、お母さんの飼槽は子牛の目で中身を確認できる高さにしてあげると良いです。ある程度練習が進めば、生後2週間くらいで反芻が始まります。小さくても立派に反芻する後ろ姿がとてもかわいいので個人的には大好きな光景です(笑)

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