(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
数面麻子のコラム
第99話:ちょっと休憩・・・④

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2015年9月18日

 久しぶりにウミガメのお話です。前回は卵を産むところまでお話ししておりました。生んだ卵は約2か月後に孵化するので、8月下旬から9月は沢山の子ガメが海へと向かいます。その際に、孵化調査というものを行います。卵を移植したところで無事、子ガメが孵化できたかどうか、全部で何個の卵が孵化したか、穴の中で死亡した子ガメはいないか、等々記録していきます。移植した穴の周辺には沢山の子ガメの足跡が残っているのでそこを掘り返すのですが、孵化するタイミングが他の卵より遅い等の理由で、穴の底に追いやられてしまった子ガメは、他の子ガメが外に這い上がる際の踏み台にされ、穴の中に残っていることが多々あります。
そのような子ガメは救出していくのですが、穴の中のカメを救出することばかりに気を取られていると、先に穴から取り出した子ガメがカラスにさらわれていたりします。また、子ガメにとって砂浜に散らばる漂流物は命取りになることもあります。丸太をよじ登ろうとしてひっくり返ったまま起き上がれず死んでしまったり、網に引っ掛かって衰弱死等々、海までたどり着くのは一苦労。そして海にやっとの思いで着いたとしても、海の中にも沢山の天敵がいるので、無事大人になれるのは100分の1の確率です。

 子ガメの写真は沢山撮っていたのですが、私の古いパソコンの中で消滅してしまいました(*_*)興味のある方は図鑑やインターネットで見てみてください。とてもかわいいです(*´ω`)

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