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蓮沼浩のコラム
第420話:粗飼料雑感

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2015年9月3日

 出張中はとにかく沢山本を読めるので本当にいつもありがたいと思っています。誰にも邪魔されずに乱読多読。興味のおもむくままに想像の世界をさまよっています。

 酪農家さんの中には草作りを非常に重要と考え、いつも最高の草を乳牛に食べさせてあげようと意識して努力されている方がいらっしゃいます。やはり草の品質は乳量などに直結し、即経営に響いてきますからね。草の成分を検査したり、肥料の調節などをしたりとても熱心です。

 では、われらが肉用牛業界はどうであろうか?

 色々な牧場を小生も見てきましたが、なかなか粗飼料の品質まで追求できている農場は少ないのが現状ではないでしょうか。一応自分で作っているけど、なんだか「???」なものばかり。カビも生えているし、昆布みたいな色のものもあります。いや、もしかしたら本当に昆布が混じっているのかもしれない!?

 現状は・・・「とにかく粗飼料は与えました、以上!!」ってな感じです(笑)。

 確かに粗飼料は与えています。しかしその粗飼料、本当に栄養はあるのでしょうか?タンパクなどちゃんとあるのかな?ミネラルやビタミンは大丈夫?ただのスッカスカの繊維食っているだけ??硝酸態窒素も大丈夫かな?
 牛さんは配合飼料ももちろん食べているけども、一番多く食べているのはやっぱり粗飼料です。多くの方は配合飼料の成分は非常に詳しいし、気にもしています。では、自分で使っている粗飼料の成分はわかっていますか?配合飼料ももちろん大切だけど、あと少し粗飼料にも目を向けることができたら、もっといいんだけどな~~~。
 「牛作りは草作り、草作りは土作り」など昔から諸先輩方や先人たちは口を酸っぱくしてず~~~~~~と昔から言っています。繁殖成績が悪い、生まれてくる子牛が小さい、育成している子牛が大きくならないなど気になることがあれば、もう一度原点に帰り粗飼料を見つめてみることもあってもいいかもしれませんね。

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